とまとニュース電子版 2018年7月分

とまとニュースは、「しんぶん赤旗」折り込みで読者の方にお届けしているトマ孝二事務所ニュースです。
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No.1407 2018年7月29日

国保料14年連の続引き上げに悲鳴
大幅な引き上げに3470件の苦情・問い合わせ


 国民健康保険料が14年連続で引き上げられました。その納付用紙が6月下旬から加入世帯に送られました。受け取った区民から「高すぎて払えない」などの悲鳴が上がっています。区役所の国民健康保険課には6月21日から7月5日までの期間、3470件もの苦情・問い合わせが殺到するという深刻な事態となっています。
     ◇
 今年度、渋谷区では、加入者1人当たりの保険料は平均で6141円もの大幅な値上げとなりました。
 年収400万円の40代夫婦と子ども2人世帯の保険料は、49万102円で収入の12.5%にものぼり、負担の限界を超えています。
 同じ年収と世帯構成でも、会社員の健康保険ならば約23万4千円で半額以下です。区民からは「こんなに高い保険料は払えない」と怒りの声が上がるのは当然ではないでしょうか。
 今年度の国民健康保険料決定に際して示された区から都に収める納付金は、国と都の激変緩和措置がとられています。また、23区も保険料の引き下げのために一般会計からの繰り入れをおこなっています。
 これらは毎年縮小されるため、給付が増えなくても今後の保険料は毎年引き上げられていくことになります。
 このように保険料が異常に高くなった原因は、政府が1984年以降、国保財政に対する負担を次々と減らしてきたことにあります。
 今年度から、各区の判断で保険料率を設定できるようになり、3区が独自に保険料を決めました。そのなかで千代田区では一般会計からの法定外繰り入れを前年度並みに維持することで、保険料を値下げしました。
 年収400万円の40代夫婦と子ども2人世帯の保険料は45万9631円で、渋谷区の保険料に比べ3万471円も低く抑えているのです。
 渋谷区では、2017年度予算に比べ、一般会計からの法定外繰り入れを3億7800万円も減らしました。試算では、渋谷区の今年度の引き上げ分の総額は、約2億6千万円なので、一般会計からの繰り入れを減らさなければ保険料を引き下げることができたのです。
 渋谷区では、保険料滞納世帯が3割近くにのぼっており、区民の負担は限界を超えています。今からでも高すぎる保険料を値下げすべきです。
 とくに子どもの均等割り負担は被用者保険にはなく、多子世帯ほど保険料が重くなる原因となっています。渋谷区でも、子どもの均等割軽減を実施すべきです。
 また、低所得世帯に対する減免制度をひろく加入世帯に周知するとともに、対象となる所得基準を現在の生活保護基準の1.15倍からさらに引き上げるべきです。
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No.1406 2018年7月22日

区立公園を大企業のもうけの場にするな
共産党区議団を代表し牛尾議員が条例改定に反対討論


 6月19日開かれた渋谷区議会最終本会議で日本共産党区議団は、公園内にカフェやレストランの設置を認める長谷部健区長提出の「渋谷区立都市公園条例の一部を改正にする条例」について反対しました。牛尾まさみ議員がおこなった反対討論の大要をお知らせします。
     ◇
 この条例は、昨年の都市公園法の改定に盛り込まれた「公募設置管理制度」に基づき、公園内に設置するカフェやレストランなどの収益施設等の建蔽率を、現在の2%から、特例として10%上乗せし、12%に緩和しようとするものです。
 「公募管理制度」は、公園の再生、活性化を推進するとして、民間活力による新たな都市公園の整備手法として創設されたものです。
 民間事業者が公園施設の設置や管理に参入しやすいよう、園路、広場等の公園施設の整備を一体的に行うことを条件に、①設置管理許可期間を最長10年から20年に緩和し、民間事業者の投資回収を容易にする、②公園施設の建蔽率を12%に緩和する、③自転車駐車場や地域の催しに関する情報を提供するための看板や広告塔について占用物件として設置できる、などの特例措置が適用されます。
 この改定は、安倍政権が進める民間企業が最も活躍しやすくするための成長戦略に基づいて、公共施設である公園を、民間企業の利益を生み出すものに変えようとするものです。
 渋谷区では昨年、神泉公園の整備が民間からの提案によって行われましたが、公園利用者にはなんら整備計画を示すこともないまま、突然、公園を閉鎖して工事が強行されました。
 しかも、設備後には、近隣の保育施設の子どもたちも使っていた砂場はなくなり、遊具も減らされ、その一方で隣接するホテル側の部分は、ホテルの前庭のように利用できるよう、コンクリートブロックのテラス風の造りに模様替えされました。
 地域の住民が求めた公園とホテルの境界の柵も設置されないばかりか、今では、ホテルからの出入り口まで作られ、事業者にとって使いやすい公園に変えられたのです。
 また、区立の宮下公園は、三井不動産の営利を最優先にした整備が進められ、新宮下公園は、商業施設の屋上公園とされ、防災や公共施設としての公園機能は失われようとしています。
 長谷部区長はさらに公園を民間の営利のために活用させる手法を広げることを明言しており、ササハタフューチャーセッション(産官学民笹塚・幡ヶ谷・初台地域の街づくりを考える場)では、旧玉川上水緑道公園のあり方についての検討をすすめています。
 区内125カ所のすべての区立公園が、カフェやレストランなどの収益施設の集客力を増やすための施設とされ、都市公園法が定める、誰もがいつでも無料で自由に使える公園ではなくなることが予測されます。
 区長が提案している条例は改正は、区民の公園を営利企業の利益のために差し出し、公園の性格を営利施設に変質させるもので断じて認められません。
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No.1405 2018年7月15日

新庁舎と新公会堂の案内サイン設置工事請負契約
高価格の道路標識業者の落札を追及


 6月19日開かれた渋谷区議会最終本会議で、長谷部健区長が提出した議案「新庁舎及び新公会堂案内サイン製作設置業務請負契約」について、日本共産党の五十嵐千代子ジャン次長は、関係者の内部告発をもとに契約額が高すぎるとして、反対討論をおこないました。その大要をお知らせします。
     ◇
 本議案は、新庁舎と新公会堂を利用する人びとに対して、わかりやすく案内、誘導できる案内サインを製作及び設置する工事の業務委託契約です。
 第一の反対理由は、区の設定した予算額の積算根拠が明確になっていないことです。
 設定された最低制限価格2億548万3623円について、区は予算額の3億3271万7112円から消費税を除いた額の66.2%を最低価格としましたが、その積算根拠を明確に示しませんでした。
 積算方法は、年度当初の予算審議の段階で新庁舎の設計業者で基本協定の相手である日本設計の協力業者の見積りとして4億300万円が示され、さらに、契約段階で再度別の業者の見積りで3億3200万円が提示されました。この事業者は4億300万円を提示した業者が紹介した業者だったのです。
 最低制限価格を下回って無効とされた業者は、公益法人日本サインデザイン協会や社団法人全日本屋外広告業団体連合会などに加盟するサインの専門業者であるのに対して、落札業者は道路標識などを専門とする業者です。取り扱い業務も道路標識、道路サインの製作、設置ほか交通安全施設などの設計施工等となっています。
 それにくらべ、無効とされた業者は屋内外のサイン専門業者のベスト10に入っています。さらに、区から使用する材質、点数、デザイン等細かく指定されており請負業者が手を加えることはできないうえに、自社工場がある、なしの違い以外に、大幅な金額の差が出ることは考えられないのです。
 最低制限価格2億548万3623円を下回った業者の入札価格は、最低が6677万7600円。ガイドサイン最大手で、公園通りに最近オープンしたホテルKOEのサインを請け負った業者は1億7900万円。最高でも1億8983万円でした。落札額の2億3860万円は最低額の実に3.8倍、最高額と比べても4877万円も高額でした。
 第2の反対理由は、地方自治法234条からみて妥当だとは言えないからです。
 本契約に対して渋谷区は、地方自治法234条第3項と同施行令の規定により最低制限価格を設定することを入札の条件としました。
 しかし地方自治法234条第3項は、契約の予定価格の範囲内で最低の価格を持って申し込みをした契約の相手方とすると定めており、渋谷区のやり方は、「最少の経費で最大の効果を上げる」ものとは言えません。
 じっさい、今回の契約はサインの専門業者が見積もった価格より最低で約5000万円、最高で3.8倍もの高額な契約であり、まったく「最少の経費で最大の効果」をあげる契約とはとうてい言えません。
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No.1404 2018年7月8日

宮下公園 三井不動産に190億円値引き
共産党が代表質問で異常な安値をきびしく追及


 日本共産党渋谷区議団を代表して牛尾まさみ議員は、6月7日開かれた区議会本会議で、長谷部区政が三井不動産に区立宮下公園整備事業の借地料を適正と思われる価格より約190億円も安値で契約したことを質問。大企業に便宜を図る区政の実態をきびしくただしました。
     ◇
 長谷部区政は、三井不動産に約1万平方メートルの宮下公園を34年10カ月にわたって定期借地させ、3階建ての商業施設とホテル建設で莫大な利益を保証し、その一部で公園と駐車場などの施設を整備する事業をおこなわせています。
 昨年6月22日に事業用定期借地契約を締結しましたが、共産党区議団は直後の第3回定例会で、同様のケースと比べ借地料が異常に安いことを指摘し、追及しました。
 続いて党区議団は独自に鑑定を依頼し、その結果、総額で426億324万円の定期借地料となること、区の契約額の235億2100万円の1.8倍が妥当という結果が明らかになりました。
 共産党が依頼した鑑定士は、区が鑑定評価した2015年7月時点と実際に定期借地契約を結んだ2017年6月の約2年間に、宮下公園付近の公示価格は24%上昇し、路線価は南街区で23.5%、北街区で25.6%も上昇しているにもかかわらず、値上がり前の鑑定額をもとに契約していると指摘。
 また、区が示した鑑定額は、ホテルを含めずに、公園と駐車場を設置し、3階建ての商業施設を整備したことをもとにして、185億3200万円という評価でした。ホテルについては鑑定をおこなわず、区がホテル分として30億3千万円を追加したのです。
 しかし、専門家の試算によれば、ホテル建設は少なく見積もっても89億円にもなるとのこと。高い収益性を持つホテルの評価として、30億3千万円は不当に低いというのです。
 2015年7月には、すでに三井不動産は17階建て、200室程度のホテルを建設する計画を示し、区はそれを承知していたのですから、鑑定評価にホテル建設を加えるべきで、それをしなかったのは許されないことです。
 さらに、適正な土地代から算出する方法では、南街区の接道が弱いことを理由にマイナス40%、屋上を公園にするため3階までしか建てられないことで59%を減価し、そのうえ都市公園だからという理由で35%も差し引いた評価額にしていることも問題です。
 加えて、完成後の建物から得られる利益から算出する方法でも、テナント料を相場より1割以上も引き下げる一方、通常の商業ビルの維持管理費が賃料収入の1割程度であるのに、3割以上に設定し、利益を低く見積もっているのです。
 地方自治法第237条は、「普通地方公共団体の財産は、条例または議会の議決による場合でなければ…適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けてはならない」と定めています。
 長谷部区政の三井不動産への借地契約は、この原則から大きく外れたものであり、認められるものではありません。
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No.1403 2018年7月1日

生きるために必要な生活援助切り捨てるな
共産党 介護保険運営基準見直しに関する請願に賛成


 6月19日に閉会した第2回定例区議会に、介護保険と福祉を考える女性の会世話人から「介護保険『生活援助(清掃・洗濯・調理・買い物等)』運営基準見直しに関する請願」が提出されました。日本共産党区議団はこの請願に賛成し、牛尾まさみ議員が賛成討論をおこないました。本会議で採決の結果、自民、公明、笑顔の渋谷の反対多数で請願は否決。牛尾議員のおこなった討論の大要は次のとおりです。
     ◇
 国は今年10月から実施する「生活援助運営基準の見直し」にかかわる訪問介護の1カ月の生活援助の回数を告示しました。それによると要介護1は27回、要介護2は34回、要介護3は43回、要介護4は38回、要介護5は31回で、これを上回るケアプランを作成する場合はケアマネージャーに区市町村への事前の届出を義務付け、地域ケア会議で点検・検証し、必要に応じてサービス内容の是正を促すとしています。
 訪問介護の生活援助が介護認定者の状態の維持や重度化防止に大きな役割を果たしています。実際、1日に2回以上の生活援助を受けている高齢者は、「認知症で食べこぼしが多く毎食後の掃除が必要」「食事形状を調整しないと食べないため、毎食調理している」などの実態があり、複数回の生活援助が日々の生活に欠かせない支援となっているのです。
 「認知症の人と家族の会」の幹部は、「生活援助は認知症の進行を緩やかにする側面もあり、利用制限はそうした生活の大きな妨げになる。要介護者を地域で支える地域包括ケアシステムの考え方にも反する」として運用方針に反対する意見を主張しています。
 厚生労働省が示した回数は、科学的な根拠もなくサービスを制限するものです。国が告示した届け出基準の回数は、「全国平均利用回数プラス2標準偏差」という統計上の数字に過ぎません。介護保険サービスは、その人の個別性や必要性に応じて提供されるのが本来の姿です。
 実際、厚生労働省は昨年11月に41区市町村がおこなった月90回以上利用している48例の調査結果を公表しましたが、利用者の8割が認知症で7割が独居の高齢者でした。区市町村が適切でないとしたのはわずか2件で、そのほかは「適切またはやむを得ないサービス利用」と判断しています。
 国のねらいは、生活援助の回数を示すことによって、ケアマネージャーにそれ以上の回数のケアプラン作成を自制させ、給付抑制を図ろうとするものです。
 請願では、国が進めている地域包括ケアシステムのなかで、資格を持ったヘルパーに変えてボランティアのご近所や友人に置き換えようとしていることに対し、「介護は継続的教育・訓練で個別状況に向き合える専門性を備えている必要性があります」として、ご近所や友人と、専門的な介護の担い手とは明確に分けて活用することを求める意見書を提出することを求めています。
 人間らしく生きるために生活援助を必要とする高齢者が、専門職によるサービスを受けられなくなることのないよう、国に意見書を提出すべきです。
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